惣利薬局・テナントビル

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鉄骨造2F建て延べ面積90坪、1F薬局2Fテナントの建物です。


大野城、春日、福岡で多数薬局を持たれている方の旗艦店となる薬局です。

薬局の機能としても無菌室等通常の薬局にはない設備や、面積も通常の2倍あります。

プランを計画していく中で隣接するクリニック、必要駐車場台数、将来増築スペースを考えるとあまり敷地の余裕がない中での設計でした。


その中でちょっとした隙間を活用し、空間の質を向上させる計画です。


南側に黒い建物が当敷地に向けて大量の室外機の設けています。

諸事情により南側に待合いを設ける必要があったのでこれでは開口部を設けても落ち着かないでしょう。


ここでこの隙間に一枚の白い壁をいれます。

そうすることにより、上部からの直射光が白い壁に反射ししつないまで柔らかな光を届けるとともに、植栽スペースの緑の地となってより一層緑が映える空間としています。

室内まで入り込んできている中庭は室内、室外との境界を曖昧にし、白色の壁まで部屋のような感覚になります。


感覚の問題なのですが、実際の待合いの面積より広く感じることができるでしょう。


単純に実際の面積を広くすることは誰でも出来ますが、光の角度、距離感、微妙な差異で広く感じる空間を作ることで、施工面積を減らし工事費を落とすことも私たち建築士の必要なテクニックと考えます。

もう一つ建築基準法の一つの抜け道(悪いことではありません)として通路の延べ面積不算入を使っています。

一番上の写真でピンクベージュの壁がぼこぼこランダムに空いていますがこれは決して遊びでやっているわけではありません。


幅の3/4以上と高さ1/2以上の開口を設けることにより延べ面積不算入となります。

このぎりぎりのところを単調になることなく配置した結果が今回のデザインとなっています。

また外壁の塗り壁は白色と見せかけて、ピンクの2色使いをしています。

左官屋さんの手間は増えるのですが、近くで見ると桜が舞っているようにも見え

ちょっとした遊び心のあるものとなっています。


2階には3cmの土で中木程度を育てられるで庭を作り出し、2Fテナントさんにも庭を作り出しています。

この大きな開口の前に待合室をプランしたら気持ちの良い空間となるでしょう。


今回女性の社長様で色使い等、ちょっと今までにないテイストでデザインしたことが勉強にもなったし、新たに好きなテイストが増えました。

これからのモノづくりにも生かしていけたらと思います。


roido

建築設計・店舗設計 リノベーション